ATACカンファレンスのコンセプト

ATACカンファレンスのコンセプト

我々の住むこの社会は,増え続ける選択肢に反し,生きにくさが増す時代に突入しています。
加速し変化する社会に合わせるため能力を高める努力が求められますが,人の努力には限界があります。
今こそテクノロジーのチカラ,人のチカラ,社会のチカラを組み合わせて幸せに生きて行くことを学ぶ必要があります。
ATACカンファレンスはそれを支える会です。

不適応や問題行動は障害や病気と結びつけて考えられがちです。
そうであれば治療しなければと病院に通い,長期にわたるリハビリや薬の服用を続ける人もいます。
確かにそれが必要な人もいるでしょう。
しかし,その前に考えてみることもたくさんあります。
特別視することで失うものもたくさんあります。

人は生まれた時から誰もが違っているのに,等質だと考えて教育はスタートします。
人と少しでも違うと多くの人は不安に感じます。
人と比べて劣っていると普通じゃないと感じ普通に近づけようとします。
普通ってなんでしょう。
障害を考えていくとそれは程度の差であり,法律や社会によって決められているものです。
多様性をうたいながら少しでも偏位していると普通に戻そうとする社会の仕組みでいいのでしょうか?
障害は社会が作り出しているような気がします。

AIやロボットが社会の中に浸透すれば産業構造は大きく変わってくるでしょう。
指示されたことを効率良くこなせる人はロボットに置き換えられていく可能性があります。
これまで高度の専門職とされた弁護士や税理士などの知的労働も法律が整備され,人工知能が台頭してくるとAIに置き換えられる可能性があります。
障害のある人の生活はロボットやAIで便利になり,人によってはこれまでに発揮できなかった可能性を開花し,障害のない人を超えて活躍する人も増えてくるでしょう。
障害がテクノロジーによってエンハンスされ,それをいかに活用するか,また,どんな環境で生活するかが個人の能力以上に重要になってきます。

一方,そんな情報が耳に入ってもどうしていいかわからず日々の生活に追われる毎日の人が大半です。
「AIやロボット時代の中で教育や福祉はこのままでいいのだろうか?」
「昔から同じように続く日々の実践活動はこれでいいのだろうか?」
「いつものコミュニケーションで相手の意思が正しく読み取れているのだろうか?」
「テクノロジーを活用すればもっと自立が促進できるのではないだろうか?」
「意欲を失っている人に何をしていいかわからない?」
といった悩みをずっと抱え続けている人も多いかもしれません。

ATACで停滞する毎日を動かしていく何かを掴んで頂きたいと思います。